関連法律1

性の不一致

性の不一致は、「夫、または妻が異常に性生活に執着している」「夫、または妻が性に対して潔癖である」「性的嗜好が異常である」「同性愛者である」などの状態を表しています。 性の不一致が原因で夫婦関係が修復できないほど破綻している場合には、離婚原因として認められます 夫婦生活の中でも性生活は重要なものとされることが多く、離婚が比較的容易に認められる傾向があります。 療養中や年齢による性的不能などは、離婚原因として認められません。 性の不一致はデリケートな問題なため、相談することが出来ないまま婚姻生活が破綻してしまうケースが多いという傾向があります。

清算条項

離婚する夫婦間で、離婚に関わる金銭問題はこれで全て清算される、今後お互いに金銭の請求は一切しないといった内容を文書として残したもので、それを双方が確認する条項のことです。

生活保持義務

扶養義務を意味しており、夫婦や親、未成年の子供など、扶養側と同水準の生活を保障しなければならないという意味を示しています。
夫婦においては婚姻生活での全費用がこれに含まれていて、衣食住にかかる費用・医療費・子供の教育費や養育費・娯楽費や交際費なども該当します。
離婚時には、親権を持たない片親が支払う養育費もこれに当たります。

生活保護基準方式

離婚の際、親権を持たない相手が支払う養育費を算定するとき、その計算に用いられる算定方式の一種のことを示しています。
毎年公表されている、厚生労働省が法律で定めた生活保護の基準額を利用して、そこに一定の倍率をかけて養育費を算出します。
ただ、生活保護などは最低の生活費を基準としているため、この方式で算定をすると金額が低くなってしまうと言われています。

性格の不一致

離婚の中でも多数を占めている理由となっているのが「性格の不一致」です。 不貞や暴力など、明確な離婚理由がないときでもわかりやすい言葉ですが、生活の中で養育や生活態度、性生活などの問題が積み重なり、相手に不満が募ることは多いものです。 それに従い愛情も薄れ、夫婦生活が修復不可能なところまで破綻してしまうというケースが最近は多く見受けられます。

審判前の保全処分

審判前の保全処分とは、家庭裁判所で審判を行う際、相手のほうが持っている財産を隠したり処分したりするのを防げるよう、申し立てをすることを言います。 この処分には執行力があります。 ただし、保全処分の必要性や緊急性など、理由が明確でなければ、申し立ては通りません。 申し立てが認められると、相手側の財産の仮差押えや、処分禁止及び占有移転禁止などの仮処分、婚姻費用や養育費の仮払いの他、子どもの引き渡しなども認められます。

審判

離婚においての審判は、家庭裁判所での調停や裁判のこと意味しています。裁判所の裁判官が案件について審理し、判決を下す行為と、その一連の手続きを言います。

親族関係調整

親族の間で感情的な衝突が起こったり、財産についてのトラブルが生じた場合、その関係を修復するのが親族関係調整です。 話し合いを行うために家庭裁判所で調停手続きをすることも可能です。 その場合、当事者それぞれから事情を聞いた上で、客観的に事態を捉え、解決案の提示などを行います。

職業許可権

民法で定められている、親権によって保護されている財産監護権の一つです。 これにより、未成年は親権者の許可なくは職業に就くことはできません。

譲渡所得税

贈与・譲渡を行う場合、その金銭などに発生する所得税のことを言います。 離婚の財産分与では、夫婦の財産の清算を行うとき、不動産・株式などの金銭以外での資産受け渡しを行うと、それは支払いという扱いではなく贈与・譲渡という名目になります。 そのため、離婚時の金銭以外での資産受け渡しでは、譲渡所得税が発生します。

準正

夫婦ではない父母の子供は非嫡出子とされますが、父母が婚姻することによって子供は嫡出子になることができるのを準正と言います。 準正に2種類あり、子供が認知されてから父母が婚姻すると婚姻準正と呼ばれ、父母が婚姻してから子が認知されると認知準正となります。

熟年離婚

夫婦が長い婚姻生活を送り、熟年と呼ばれる年齢となった頃に離婚することを熟年離婚と言います。 離婚理由は色々ありますが、子供が成長し、独立したのを機に離婚するケースが多いようです。 夫の退職がきっかけとなる場合もあります。 要因としては核家族化も影響しているとされ、近年では報告例も多く、社会的な問題になっています。

児童扶養手当

母子家庭の経済的な援助を主な目的としている制度です。
18歳に達する日から最初の3月31日までの間にある子供、もしくは20歳未満の障害のある子供で、父親と暮らしていない児童が該当します。
条件としては、両親が離婚した児童、父親が死亡している児童、父親に障害のある児童、父親の生死が明らかとなっていない児童のいずれかとなっています。

執行認諾文言

公正証書の一種で、債務を履行しない場合は強制執行を受けても異議のないことを認諾すると示された文言をさします。 内容は、執行の受諾を認める「執行受諾文言」と、債務者が執行に従うという「認諾約款」から成っています。 離婚に関しては、養育費、及び慰謝料の不払いを想定に入れ、支払いに際して公正証書に付与されることがあります。 執行認諾文言とは公正証書の一つで、債務を履行しない際には直ちに強制執行を受けても異議のないということを認諾すると示す文言のことをいいます。 離婚問題では、慰謝料や養育費などの不払いを想定して、公正証書に支払いについて付与されることがあります。

事情変更の原則

婚姻関係を解消した夫婦の各々の事情によって、離婚時に決められた養育費の金額が変更されることがあります。 元夫婦の間にできた子供が上級の学校に進学するに伴い、養育費の額を増加させる場合などがそれに当たります。 また、離婚した夫婦の一方が就職や転職、失業や倒産などで収入が増減した場合にも、一旦取り決めた養育費の変更を申し立てることができます。 これは民法で定められた「事情変更の原則」と呼ばれます。

自己責任の原則

離婚した場合、各配偶者は自力で生活を営むべきであるという原則のことが「自己責任の原則」です。 しかし、例外もあります。 専業主婦として長年働いていた妻が、社会に出て仕事に就くまでには時間がかかるものです。 そこで、就職までに時間がかかるときは、それまでの生活費を元夫が支払う義務があるのです。

裁判認知

夫婦関係ではない親同士の間に生まれた子供を、父親が自分の子供だと認めなかったときや、父親が死亡や病気で認知が行えないとき、家庭裁判所へ認知請求の申し立てを行うことができます。 これは裁判認知や強制認知といった名称で呼ばれています。 父親が死亡した上で裁判認知を申し立てるときには、その期日は死後3年以内と定められています。

裁判上の離婚理由

離婚の申し立てを裁判所に提出するときは、民法に則った離婚事由がある場合のみ訴えを起こすことができます。

裁判上の離婚理由として認められるのは以下の通りです。

  • 浮気などの不貞行為を伴侶が行った場合
  • 伴侶による悪意の遺棄
  • 3年以上の伴侶の生死不明
  • その他の婚姻を継続しがたい重大な事由が存在する場合

悪意の遺棄とは、民法752条の「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」という項目に反する場合を言います。

再婚禁止期間

離婚が成立した場合、直後にすぐに再婚ができる男性に対して、女性は6ヶ月間は再婚が不可能となっており、再婚禁止期間はそれを意味します。 これは、女性が離婚の前の性交渉によって妊娠していた場合、離婚後、即座に再婚してしまうと、妊娠した子供が誰の子供であるか混乱が生じるためです。 ただ、例外として認められているケースもあります。 婚姻中に妊娠がわかった場合(前夫の子供と推定) 一旦は離婚した前夫と再婚する場合(前夫であり、再婚した夫の子供と推定) 夫が3年以上も行方不明で裁判離婚となった場合(前夫の子供である可能性が低いため) これらのケースでは、再婚禁止期間は設けられていません。

婚氏続称 【こんうじぞくしょう】

婚氏続称は「離婚の際に称していた氏を称する届」を略した言葉です。 結婚によって姓が変更されていた場合、離婚後には旧姓へと戻ることになるのですが、理由があってそうなりたくない場合は、協議離婚後3ヶ月月以内に届けることで、戸籍法の定めで婚姻中に名乗っていた姓を続けて使うこともできます。

婚姻費用の分担

夫婦には、生活保持義務があることから、夫婦は婚姻費用として財産や収入を分担しなれけばなりません。 これは婚姻費用分担と言われています。 たとえ離婚を予定し、合意していたとしても、離婚が成立するまではこれまでと同様に夫婦と見なされるため、婚姻費用は分担されます。 婚姻費用の分担は基本的に話し合いで決められますが、相手が支払いを拒んだときは、離婚調停で婚姻費用分担請求の申し立てを行うことで請求ができます。

婚姻費用

婚姻生活を続ける上で必要な費用のことをさしています。 電気・ガス・水道などの光熱費や食費など、衣食住に関する費用、子供の教育費、医療費、娯楽や交際にかかる費用も、生活する上で必要な経費全般が含まれます。 離婚問題に関する場合では、法的には離婚が成立するまでの間は、やはり夫婦生活にかかる費用はこれになります。

子の福祉

子供が、いかに幸せに暮らせるか、将来を充実したものにできるかを考慮した考え方です。 裁判などで親権が争われた場合、裁判所はこの考え方を基準に、どちらの親がより親権者としてふさわしいかを判断します。 子供の親権においては、この考え方はとても重く見られており、離婚にからんだ問題だけでなく、子供に関するさまざま問題において、大きな判断基準とされています。

口頭弁論期日

民事訴訟手続の中で、当事者同士、もしくは訴訟代理人が行います。 公開法廷の場で、裁判官や裁判所書記官の前で当事者同士が口頭で直接弁論をするのですが、それを前もって定めているのが口頭弁論期日です。 裁判は、この口頭弁論を何度も重ねることで、じょじょに解決へと近づいていきます。 ただし、もしも口頭弁論を無断で欠席してしまうと、相手の言い分を全て認めたこととなるため、主張も棄却されてしまう場合があります。

甲類事件

家事審判は甲類事件と乙類事件の2つに分けられています。 甲類事件は審判手続きで審理される事件のことで、子供の姓の変更許可、相続放棄や後見人の選任,養子縁組の許可などがこれに当たります。

合意書

慰謝料の金額や財産分与の決定、親権者の変更や面接交渉の方法など、当事者の間で合意した上で、法的な拘束力を持たせることができるのが合意書です。 離婚に関しては、合意書を作成する場面も多く見られます。

協力義務

民法では、夫婦間には協力の義務が課せられています。 夫婦として共に暮らしていく上で、生活を充実させ、関係を円滑にするために必要不可欠な義務であると考えられています。 正当な理由もなく協力を拒み続けるなど、義務が損なわれたために離婚に至るケースも多くあります。 また、それを理由に離婚請求が行われ、裁判所の考慮に入れられることもあります。

共同申請主義

不動産の登記などで度々使われる用語です。 申請を双方の当事者が共同で行うことや、考え方を示しています。 離婚の場合の離婚申請では、夫婦が二人で離婚届を提出するという意味がこれに当てはまります。

兄弟不分離

たとえ、両親が離婚、もしくは死別したとしても、兄弟姉妹は幼児期を共に生活することで人格形成に良い影響が考えられるため、引き離すことなく養育すべきだという考えを元とした原則です。 このため、兄弟姉妹を引き離すような親権者指定請求はなかなか認められません。

強制認知

妊娠・出産後、相手の男性が生まれた子に対して認知を行わなかった場合、母親はその父親に対して認知を請求することができます。 もし、その時点で父親が認知した場合は協議認知ということで、父親には子供を不要する義務が生じます。 協議認知を父親が拒絶したときは、裁判によって強制的に認知させることができます。 また、これにより、扶養の義務を負わせることも可能です。

協議離婚無効確認

離婚届を提出するとき離婚の意思がなければその提出は通りませんが、離婚届を作成しただけの場合は、離婚する考えが消失すれば、離婚届を提出しただけでは離婚の意思がないものと見なされ、離婚は法律上では無効となります。 また、夫婦の一方、もしくは両方に離婚の意思がない場合にも、離婚届が提出されても離婚は無効扱いとなります。 しかし、離婚届けが受理された後から無効を証明するために裁判所で確認のための調停を申し立てする必要があります。

寄託制度

裁判を介して離婚をした際などには、金銭の授受を離婚相手とではなく、裁判所の仲介によって行える制度があります。 この寄託制度では、義務者の金銭を裁判所が一旦預かることで、慰謝料や養育費の不払いや滞納を回避できるだけでなく、受取者が離婚相手と顔を合わせることなく金銭の受け渡しができるというメリットがあります。 寄託制度は、裁判の際でも、離婚後でも、どちらでも利用が可能です。

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