第1章 内容証明とは?

相手が浮気をした場合、慰謝料を請求するにはいくつか方法はありますが、ここでは「内容証明を送る」という方法についてご説明します。

内容証明を送る方法は、慰謝料の請求だけでなく、「訪問販売で無理矢理に高額な布団を売りつけられた」「会社の上司にセクハラをさせられたので慰謝料を請求したい」「知人に貸したお金を返してもらいたい」などのトラブルを解決するのにとても役立つ制度です。

では、いったい内容証明とはどんなものなのでしょうか?

郵便法63条では、「内容証明の取扱においては、公社において、当該郵便物の内容たる文書の内容を証明する」と規定されています。公社とは、公共企業体のことで政府が出資する法人です。現在JTと呼ばれる日本たばこ産業株式会社の前身は「日本専売公社」、NTTは「日本電信電話株式会社」と呼ばれていました。

内容証明に関係するのは、こうした政府が出資する公社の中の「日本郵政公社」、現在の日本郵政株式会社になります。あなたが出した文章を、公に証明するものが内容証明です。正式には「内容証明郵便」と言いますが、内容証明で出す文章の形式などは内国郵便約款で定められたものに従って作成します。

大切なのは慰謝料を支払ってもらうこと

トラブルを解決するためには、証拠が必要となります。

電話や普通の手紙で慰謝料などを請求しても、「請求した」という証拠は何も残りません。

あなたは夫(妻)の浮気により、妻(夫)の立場を侵害され、精神的に苦しんだりしたはずです。夫(妻)が浮気相手の家に入り浸り、家に帰って来なくなったりしているのならば尚更です。精神的な苦痛にプラスして金銭的、肉体的な苦痛も味わっているはずです。

大切なのは、これらの苦痛に対する慰謝料を支払ってもらうことです。

話し合って解決したいとおっしゃる方もいます。しかし、浮気相手と直接会って慰謝料を請求するのは、現実的にはとても困難です。

それは、浮気相手を目の前に、ついつい感情的になってしまい、冷静な話し合いをできる方が少ないからです。単純に浮気相手に恨みを吐き出したいのなら、それも良いでしょう。

しかし、憎き浮気相手から慰謝料を取ってやりたいという場合、感情は殺して冷静に対応しなければなりません。

証拠であって法的拘束力はない

ここで勘違いしてはいけないことは、内容証明を出したからと言って、必ず相手から慰謝料を取れるわけではないという点です。

内容証明は、その手紙の内容である文章や差出日が公的に証明されることで、相手に心理的圧迫をかけるものです。請求したという証拠としての能力は高いものの、法的拘束力はありません。

今回は浮気の慰謝料を相手方に請求するので、少々話はそれてしまいますが、大切なことなのでついでに覚えておいて下さい。

例えば、お金を貸した、無理矢理高額な商品を買わされたなど、金銭トラブルの場合、相手との話し合いがこじれ裁判になったときに、内容証明が大きな力を発揮します。

口頭や内容証明以外の郵便物で請求した場合、裁判で相手に「請求された覚えがない」「手紙など受け取っていない」と言い張られても、証拠となるものは何もありません。

つまり、少し賢い相手なら、内容証明を送られてきただけで、「裁判に持ち込まれたら不利だな」と思うわけです。

ただし、トラブルの内容によっては、素人判断でうかつな内容証明を出した結果、その後の発展に不利益になることもあります。訴訟などが絡んでいる場合は、やはり弁護士など法律のプロに相談したほうが賢明です。

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